キーボードから筆ペンへ。集中力を活かせる低予算書道・ペン字入門
ゲームの世界に没頭する時間は、多くの発見や刺激に満ちています。キャラクターを育成したり、広大なフィールドを探索したり、仲間と協力して強敵に挑んだり。時間を忘れるほど集中できる楽しさは、ゲームならではの魅力でしょう。
しかし、ふと気づくと「一日中画面を見ていたな」「手で文字を書くことなんてほとんどないな」と感じることはありませんか。デジタルな世界も素晴らしいですが、時には物理的なものに触れ、手を使って何かを生み出すことに飢えを感じることもあるかもしれません。
この記事では、ゲームで培った集中力を別の形で活かしつつ、手軽に始められるアナログな趣味として「書道」や「ペン字」をご紹介します。ゲーム以外の世界で新しい集中方法を見つけ、日常に彩りを加えてみませんか。
なぜゲーム好きにこそ書道・ペン字がおすすめなのか
書道やペン字は、一見ゲームとは全く違う世界の活動のように思えるかもしれません。しかし、共通点も多く、ゲーム好きだからこそ楽しめる要素があると考えています。
1. 集中力を極める楽しさ
ゲームでレベル上げや難しいギミック攻略に集中するように、書道やペン字も一文字一文字に集中する時間です。線の太さ、とめ、はね、はらい、文字のバランスなど、細部に意識を向けることで、雑念が消え、没頭することができます。この「ゾーン」に入る感覚は、ゲームで難しいミッションをクリアする時の感覚にも似ているかもしれません。
2. 目に見える成長と達成感
ゲームでキャラクターのレベルが上がったり、新しいスキルを習得したりするように、書道やペン字も練習すればするほど、文字は確実に美しくなります。以前書いた文字と見比べることで、自分の成長を実感できます。難しい字がバランス良く書けた時の達成感は、ゲームで強敵を倒した時の喜びにも匹敵するでしょう。
3. リラックス効果とマインドフルネス
画面を見続けるゲームプレイは、時に脳や目に疲れを感じさせることがあります。一方、書道やペン字は、ゆったりとした呼吸で墨を磨ったり、ペンを走らせたりする中で、心が落ち着き、リラックス効果が期待できます。一文字に向き合う時間は、現代社会において貴重な「マインドフルネス」の時間ともなり得ます。
4. 実用性と新しい発見
美しい文字は、手紙を書く際やノートをまとめる際、履歴書や書類を作成する際など、日常生活の様々な場面で役立ちます。また、崩し字や旧字体に触れることで、漢字の成り立ちや美しさといった、普段気づかない新しい発見があるかもしれません。
書道・ペン字を始めるための簡単なステップ
「筆なんて触ったことない」「字が下手だから無理」と思っていませんか。心配はいりません。最初から完璧を目指す必要はありませんし、手軽な道具から始めることができます。
ステップ1: 道具を揃える
本格的な書道セットは場所も費用もかかりますが、まずは筆ペンと練習帳(またはノート)があれば十分です。
- 筆ペン: 最近は様々な書き味の筆ペンがあります。まずは文具店でいくつか試し書きをして、自分に合ったものを選んでみましょう。500円〜1500円程度で購入できます。
- 練習帳・ノート: なぞり書き用の練習帳や、マス目入りのノートなどが使いやすいです。100円ショップや文具店で手軽に購入できます。
- 墨汁・硯・文鎮など(書道の場合): 本格的に筆と墨で始める場合は必要になりますが、まずは手軽な筆ペンから始めるのがおすすめです。
合計で数百円から数千円程度でスタートできます。まさに低予算で始められる趣味です。
ステップ2: 練習方法を知る
YouTubeには、書道家やペン字講師の方が公開している無料の動画がたくさんあります。「ペン字 練習方法」「筆ペン 字 きれい」といったキーワードで検索してみましょう。動画を見ながら真似るだけでも、驚くほど字が整ってきます。
また、ペン字や書道の教本も多数出版されています。基礎から学びたい場合は、一冊手にとってみるのも良いでしょう。
ステップ3: 毎日少しずつ書いてみる
ゲームのデイリーミッションのように、毎日ほんの少しの時間でも構いません。例えば、ゲームのロード中やマッチング待ちの時間に、筆ペンでひらがな一文字を丁寧に書いてみる。寝る前に今日の出来事を一文だけ、いつもより丁寧に書いてみる。そうした積み重ねが、上達への一番の近道です。
同世代の活動事例とゲームとの両立のヒント
SNSでは #書道好きな人と繋がりたい や #ペン字練習 といったハッシュタグで、多くの人が自分の練習成果を公開したり、交流したりしています。大学生で書道サークルに入ったり、一人で黙々とペン字練習を続けたりと、楽しみ方は人それぞれです。彼らの投稿を見ることは、モチベーション維持にも繋がるでしょう。
ゲーム時間を全て書道・ペン字に置き換える必要はありません。例えば、「ゲームを30分プレイしたら、ペン字練習を10分行う」「寝る前のスマホゲームの代わりに、筆ペンで日記を一行だけ書く」のように、ゲーム時間の中に短い「書く時間」を設けることから始めてみてはいかがでしょうか。物理的に手で文字を書くことで、ゲームで高ぶった気持ちが落ち着き、リフレッシュできる効果も期待できます。
最初の一歩を踏み出してみませんか
ゲームは素晴らしいエンターテイメントであり、多くの楽しみを与えてくれます。それはそれとして大切にしながらも、少しだけ視点を変えて、アナログな世界の「書く」ことに目を向けてみるのはいかがでしょうか。
ペンや筆が紙の上を走る音、墨の香り、指先に伝わる感触。画面の光とは違う、落ち着いた豊かな時間がそこにはあります。手で丁寧に文字を書くという行為は、現代社会において少し特別なものになりつつありますが、だからこそ、そこに新しい発見や、心を整えるヒントが隠されているのかもしれません。
低予算で、自分のペースで始められる書道・ペン字。ぜひ、ゲーム以外の集中できる時間として、試してみてください。きっと、あなたの日常に新しい楽しみと彩りを加えてくれるはずです。